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イラン織り子さんの願いが込められたギャッベの文様
カテゴリー:手織り絨毯ギャッベ
ギャッベの文様には、織り子さんたちの願いが込められています。ギャッベには図案がなく、織り子さんがその時頭の中でイメージしているものや、見えているものをモチーフにしたりして織り上げているのです。
羊・ヤギの文様
よく出てくる文様として、羊やヤギなどの動物の文様があります。これは遊牧民にとって財産・収入源になりますので、生活の豊かさを象徴するものになります。羊やヤギの文様は非常に多く、動物柄はお客様にも人気があります。
ラクダの文様
近年の遊牧民はトラックで移動することが多くなりましたが、以前はラクダに荷物を載せて遊牧していました。ラクダが多いということは成功の証し。生活が豊かという象徴でもありますので、ラクダの文様も多くみられます。
ライオンの文様
イランにライオンはおりませんので、架空の動物として織り込まれるのですが、権力や財力の象徴として織り込まれることがあります。
生命の樹の文様
樹の文様は長寿や繁栄を願って織り込まれています。樹には種類があり、背の高い糸杉の樹・ザクロの樹・丸い形の樹など、織り子さんのグループそれぞれの伝統の文様として織り込まれます。
オオカミの文様
狼は羊の天敵でもありますので、魔除けの意味を込めて織られることがあります。
人・女性・子どもの文様
子どもがたくさん産まれますようにと、子孫繁栄を願って織られることが多い文様です。動物柄も、同じように子孫繁栄を願っていることが多いです。
囲いの文様
囲いは、家や家族を守るという意味で織られています。四角い柄が並んでいるものはギャッベを干している風景。他にも水路を表していたり、幸せを呼び込む小窓をイメージして織り込まれていることがあります。
魚の文様
遊牧民は魚を目にすることは少ないのですが、憧れや憧憬といった意味合いで織られることがあります。
終わりに
様々な象徴や願いが込められた文様たち。こんなにカラフルで楽しいギャッベの風景ですが、実際の遊牧民の生活は厳しい自然にさらされ、見える景色は茶色い岩肌がむき出しの山々の風景です。だからこそ、鮮やかでカラフルな楽しい色合いや景色に憧れ、その気持ちが美しいギャッベを生み出すのでしょう。